超高級スーパーカー『マクラーレン』の魅力

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はじめに

 長らく経営してきた会社を譲渡できて、時間に余裕のできた譲渡オーナー(日本М&Aセンターの仲介で会社を譲渡した元経営者、以下「ネクストクラブ会員」という。)の中には、今後趣味であった『車』にお金と時間を使おうと考えている人もきっといることだろう。会社を譲渡すると多額の現金が手許に入ってくるため、憧れていた超高級スポーツカーを購入し、ドライブを楽しみたい、そう思っている人も少なくないはずだ。

 そこで、ネクストクラブONLINE編集部では、最近F1でもコンストラクターズポイントで4位と順位を上げ、日本でも販売台数が増えてきた英国のスーパースポーツ『マクラーレン』について、その魅力をよく知るマクラーレン東京(東京・港区)の長田氏(シニアセールスエグゼクティブ)に話を伺ってきた。

マクラーレンオーナーは何に魅力を感じて購入された方が多いのでしょうか。

長田氏:まず、やはりスーパースポーツならではの美しいビジュアルに魅かれ足をお運び下さるお客様が多い点は言うまでも有りませんが、加えてF1に象徴されるレースシーンで幾多の歴史を持つマクラーレンに対する特別な思い・ご記憶と共に、ビジネスや人生における成功の証としてご購入をいただくお客様も多いです。

 また、マクラーレンはちょうど今年で60周年を迎える歴史ある英国ブランドですが、量産モデルの販売開始から未だ12年ほどですから新しいモノに対する感度が高く、本物志向のお客様が既存ブランドには無いステータス性に魅力をお感じになってくださることが多く思います。

 しかし殆どのお客様が共通しておっしゃるのは、その乗り心地の良さに驚かれたという点でしょうか。このジャンルへ初めて足を踏み入れて下さるお客様は勿論、名だたるスーパースポーツをご所有されてきたお客様もご購入の決め手としてマクラーレンのしなやか且つ緻密な乗り心地に魅了された点をお挙げくださいます。

 元来、スーパースポーツとは日常での硬い足回りに目をつむる事で得られる対価として高いコーナーリング性能を享受出来る乗り物でした。マクラーレンは快適性とスポーツ性能をシャシー構造に由来する超低重心化によって両立させています。

 このジャンルに在ってひと際ストイックなイメージを抱かれるブランドですので皆様とても驚かれますし、誰もが知る訳ではない一面ですからご所有いただくことでの満足感も高まる大きな魅力かと思います。

プロダクトのこだわりについて教えてください。

長田氏:はい、こだわりについてお話するとお挙げし切れませんが、前述の通りマクラーレンは市販車メーカーがレース参入するのではなく、レースメーカーが市販車市場に参入した稀有な流れを持っております。

 つまりは文字通りF1マシンの技術を市販車にフィードバッグしたブランドであり、ここに最大の意味があります。F1をご覧になられた経験のある方はご存知かと思いますが、フォーミュラマシンは優れたエンジン性能と同列に高いシャシー性能が求められます。同じエンジンを搭載しているにも関わらずシャシーの異なるチーム間で圧倒的な速さの差が生じる光景を目にされることがあると思いますし、更にはパワーの低い車両がよりパワーを出している車両を抜き去る光景も珍しくありません。これはシャシーが軽量で低重心であることに加え、優れた足回りと空力性能を持つ車体は馬力に象徴されるスペックを凌駕するということを証明している訳です。マクラーレンは市販車においても同様のこだわりの基にプロダクトを開発するブランドなのです。

 ちなみに、マクラーレンはリアタイヤの上面よりも低い位置にエンジンのヘッドカバーが配置されています。リアガラス越しに誇らしげなヘッドカバーが覗く…などと言うことが無いほどのエンジンの低さはさながらF1マシンのようなレイアウトです。

魅力とこだわりがリンクしているということでしょうか。

長田氏:はい、もうお気づきかもしれませんが、つまりは冒頭の目を引くビジュアルは優れた空力性能を成立させたラインに基づくデザインであり、しなやかなドライブフィールは脚色なく超軽量・超低重心・高剛性である贅沢なカーボンモノコック製シャシーがもたらす結果ということなのです。単なるセッティングによる味付けでは無く、根本的な構造・開発思想の違いが本物を見極めるお客様へ驚きと共に確かな評価をいただいているという事になります。

顧客のこだわりはどのように実現できますか。

長田氏:オーダーに際し、メーカーオプションや内外装の選択肢が多数あるのは当然ですが、ビスポーク部門の「MSO」による完全なワンオフ仕様の製作も対応致します。内外装問わず部位ごとに異なるカラーや素材の選択が出来るのは勿論、ストライプやパターンの追加により世界に1台の車両を製作致します。例えば、マクラーレンではボディパネル全てをカーボンで製作することも可能です。

長田氏:MSO仕様や限定車を除き、オーダーからご納車まで8~10か月ほどとなります。イギリス南東部、ロンドン郊外のサリーにあるマクラーレン本社「MTC」に併設されるプロダクションセンターで製造されるのですが、先進的な製造工程に加え、レースマシンさながらの多くの綿密な手作業もございます。

 既にこのジャンルにおいても台頭するオートメーション化による大量生産ではなく、あくまで1台1台をコースに送り出すようなこだわりを持って仕上げられています。

購入されたオーナーの世代・職業も分かる範囲で教えてください。

長田氏:おおよそ平均値として50歳となるのですが上下の幅はとても大きいです。特に50~70代のオーナー様層は運転歴も長くていらっしゃるのでマクラーレンのドライブフィールをお気に召して積極的に駆り出していただいているように感じます。ご職業についての傾向はございませんが、やはり経営者様であるケースは多いと思います。

どんなオーナーの方が印象的でしたか。

長田氏:皆様それぞれに素敵なエピソードがお有りですが、例えば或るお客様は当初から「私、ほぼ乗りませんよ!」と宣言をされておりました。しかし弊社マクラーレン東京で年間を通し開催しているサーキットやコース走行イベントにお招きをしているとあっと言う間に夢中になられ、レーシングスーツ・グローブ・ヘルメットも購入され、更にはライセンスの取得に至られました。実は近いお話は多数ございます。一つのお買い物がその方のライフスタイル・ご親交・ビジネス、価値観などを大きく変えるほどの効果を生み出すことは決して多くはないと思います。しかし日々お客様の様々なお話を伺っているとマクラーレンにはそれらを変えてしまうほどの威力が有り、それもまた「性能」のひとつなのだと思わずにいられません。

素人の方でも「走り」に目覚めさせてしまうのですね。

長田氏:スポーツドライブに限らず、お客様それぞれ傍らにマクラーレンのある生活を満喫して下さっています。旅行でもお買い物でも、単なる移動手段ではなく目的地への道程自体をも楽しむことができる訳ですからね。きっかけがビジュアルでもステータス性でも、結果的には皆さまマクラーレンを駆り出すことを楽しんで下さり人生を楽しまれているご様子で嬉しい限りです。

長田氏:やはりSUVやミニバンをはじめ何らかの実用車を併有されているケースが多いですが、マクラーレンを複数台ご所有いただいているお客様も大変多く、ゴルフバッグの積載も可能な実用性を備えるモデルもございます。

どんな人にマクラーレンの車を購入してほしいですか。またふさわしい人は?

長田氏:まず、本記事をお読みいただくネクストクラブ会員の皆様のようにビジネスの成功や人生における節目に、エピソードを伴う特別な1台としてご所有いただけたら幸いですし、それに相応しいプロダクトであると考えます。またスーパースポーツに対して関心はあるけれども一般的に言われるネガティブなイメージに気が引けていた方には特に一度ご体感いただきたいと考えております。マクラーレンはオリジナルを崩さずに、ジェントルでスマートに楽しむオーナー様ばかりですので、どうぞご安心ください。

維持・メンテナンスにコストがかかるイメージですがいかがでしょうか。

長田氏:現在、マクラーレンでは新車に対し3~5年の保証が標準付帯されており、最長15年まで延長が可能です。また3年のメンテナンスパックも付帯されておりその間の定期点検に際しての基本的なコストはかかりません。認定中古車にも1年間の保証が付帯され、同様に初度登録年から15年までの延長が可能となります。マクラーレンの参入以前、確かにこのジャンルは重要機関のメンテナンスに対し非常に高いコストを投じながらの維持を強いられる面は有りましたが、現在はDCTやカーボンブレーキなどの採用等で状況も変わりました。少なくとも正規ディーラーでのご購入であればご負担は各段に軽減されていると言えるのでは無いでしょうか。

長田氏:価値に限らず、性能を維持していただく意味でも正規ディーラーで各モデルの特性に合わせた正しいメンテナンスを定期的に行っていただくことだと考えます。マクラーレンにおける価値は第一に性能です。その性能を維持しつつドライビングを楽しむことで価値を感じていただきたいです。

認定中古車も大変人気です。資産性が高い理由は希少性だけではないかと思いますが、いかがでしょうか

長田氏:最初のモデルとなるMP4-12Cの投入から12年。参入直後の数年間に比べ販売ディーラーも増え、サービスネットワークが拡充し、中古車市場も形成されたことでより多くの方が選択肢としてマクラーレンを挙げやすい環境が整ってきたことは大きく、何よりマクラーレンの良さが広く認知されたことの表れでもあると考えます。

こちらの店舗で人気のモデルトップ3を教えてください。

1位 750S Coupe / Spider
(車両本体価格3,930万円~)
2位 ARTURA
(車両本体価格3,070万円~)
3位 720S Coupe / Spider
(認定中古車)

スタッフお勧めのモデルとその理由について教えてください。

長田氏:GT(車両本体価格2,750万円~)をお勧めします。言うまでもなくカーボンモノコックシャシーにミドシップエンジン、2シーターというパッケージングでありながら広大なラゲッジスペースを持つ贅沢なモデルです。そのスタイリングは他モデルと異なる伸びやかで優美なラインを持ち、インテリアはラグジュアリー感さえも漂いますが、620馬力という強大なパワーを秘めつつゆったりとクルーズを楽しむツアラーとしてもお勧めいたします。

アフターサービスについて教えてください。 

長田氏:弊社はアクセスのよい東京・有明にサービスセンターを展開しております。12年前のMP4-12C登場当時から在籍するスタッフも多く、歴代全てのモデルについて精通する数少ない正規ディーラーです。一般作業・メンテナンス・点車検に板金、更にはサーキット走行前の特別な整備も熟練のメカニックが対応させていただいております。

今後、スポーツカーのような運転を楽しむ車にも自動運転技術は必要でしょうか。

長田氏:ARTURAにはアダプティブクルーズコントロール(ACC)、車線逸脱警告機能が標準装備されていますが、例えば、サーキットやワインディングへスポーツ走行を楽しみに行かれたり、旅程を楽しまれるご旅行でも皆様お帰りの道のりは大変お疲れになることと思います。そんな場面でこれらの機能が重宝する点はサルーンやSUVと変わることは有りませんので、そういった意味で自動運転技術は導入されても良いのかもしれません。

 一方、マクラーレンではこの自動運転の技術を異なる観点でも研究しており、例えばサーキットにおいて最短のラインとなるレコードラインをトレースしながらより速く走る技術研究も行っているそうです。市販化するかは別として、車両の安定制御に寄与する開発でもありますね。

最後に読者に一言メッセージをお願いします。

長田氏:まずは一度ご体感ください。マクラーレン東京ではネクストクラブ会員様のご試乗をお待ちしております。皆様にお会い出来ますことを楽しみにしております。

ありがとうございました。

(注)本記事の内容は2023年10月26日時点での情報です。

【参考】
取材協力:マクラーレン東京(https://tokyo.mclaren.com/ja