事例紹介

Case Study

M&Aで自社を譲渡した後(自分の築き上げた財産)にことについては、事前に何も考えていなかった。

金属加工業 / 50代2代目オーナー経営者

  • 財産コンサルティング

最初にお会いしたのは、まだM&A後の引継ぎ期間でした

最初に山本さん(元オーナー社長)とお会いしたのは、M&Aで譲渡して間もない時、まだM&A後の引継ぎ期間でした。
引継ぎは、想像以上に多忙であり現役時代よりも忙しく日々だったと思われます。

山本さんは、金属加工業の2代目。継いでから、製品のブランドを高め、製品を海外に販売するまで成長させました。しかし、後継者がいないために、ファンドに株式を譲渡しました。

M&Aの引き継ぎ期間の多忙な時期であったので、今後のご自身や家族の長期的なことを考えながら財産の保全運用の最適プランを考える気持ちにもなれず、ご自身で縁のあった国内外プライベートバンクから金融商品などを購入していました。

2年くらいたったときに山本さんから連絡をいただきました。
「引継ぎ期間を終えて少し時間と、そして心に余裕ができました。家族と向き合う時間を今後は増やしていきたいと考えています。しかし、今の自分がどのような財産を保有していて、どうなっているのか、ほとんど分かりません。」

実は、確認してみると投資した商品の多くが評価減となっており、商品の内容について理解が不足していたりして、どうしてその金融商品を選択したかの理由などもきちんと考えていなかったことに気づき、財産保全をきちんと再構築したいと考えたのでした。

財産コンサルティングを実施、まずは現状分析という形で“すべての財産の棚卸”からはじめました。いままで、バラバラに頭に入っていた財産の全体像が具体的金額で整理でき、全体像がみえてきました。

そしてわかったことは、財産全体に金融資産が占める割合が高いこと、
そして、運用費用(手数料)が高額のものもあり、そのために毎年総財産が目減りしていたことです。

この状況を改めるために、
財産を目減りさせる原因となっていて、今後回復が見込みにくい金融資産は売却することを提案し、一方で、不動産の保有割合が少なかったので、不動産商品の購入の検討も開始。

また、M&Aで奥さんや子供も譲渡代金を得ていて、それぞれ個別に運用していました。
それでは、一族がばらばらになりやすくなるので、資産管理会社を設立することを提案。
全員で財産を管理、そして財産を家族ためどのように使っていくか、一族のためにどう使うか、どのような運用方針にするかを話し合うことにしました。

そして資産管理会社の重要なことは、先代への感謝と一族への思いを忘れないようにする場でもあることも理解いただきました。
先代が事業を創業したおかげで今この財産があること。それで今の我々が安心して生活ができていること。さらに、次代にたいしても適切なかたちで財産を承継し、次代の方々の生活が豊かになるようにすること。

まずは、これらを山本さんにと話し合い、その後ご家族にも説明し、理解を得ることができました。
資産管理会社により、あらたに都心の不動産商品を購入。年に一度、資産管理会社の財産の見直しや、各個人の財産の相談を山本さんご家族と行っています。

山本さんに事業承継の成功のポイントお聞きしました

「最初は、時間と心に余裕が無く、提案内容をまともに聞かずすみません。こうして、再会し自分と家族の財産のことを整理してくれて本当にありがとうございます。おかげで家族とのコミュニケーションもとれるようになり、今は安心して毎日を過ごしております。
事業承継の成功には、M&Aでいい相手と出会うことも必要ですが、その後の財産のこともきちんと管理して、安心していられることも必要と実感してます。これからも長いお付き合いおねがいします」。
事業承継は、財産のことも事前に考えておくことが重要と感じさせられました。