会社を売って海外へ行こう!~富裕層向け海外生活と海外不動産のトレンド【第2回】海外不動産を保有するメリット

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 2023年10月13日(金)、GINZA SIX(東京都・銀座)にて株式会社ネクストナビは「会社を売って海外へ行こう!~富裕層向け海外生活と海外不動産のトレンド」というテーマで、セミナーを開催した。

 今回のセミナーは、全3部構成である。

 第1部は、昨年発売され、ベストセラーになった書籍『日本のシン富裕層』( 朝日新聞出版)の著者であり、2万人以上の海外移住や長期滞在に関する相談を受けてきた株式会社アエルワールド代表取締役社長の大森健史氏が「シン富裕層の海外生活」というテーマで講演した。

 第2部ではアメリカ不動産販売実績3年連続 No.1の株式会社オープンハウスより、「海外不動産を保有するメリット」と題して、同社のウェルス・マネジメント事業部東日本エリア統括の齋藤新氏が講演した。

 第3部では株式会社ネクストナビの代表取締役社長の雨森良治が司会進行役として第1部の講師である大森氏と第2部の講師である齋藤氏とともに、「会社譲渡後の新ビジョン」をテーマにパネルディスカッションを実施した。

 本記事では第2部についてレポートする。

【全3回の目次】
第1部:シン富裕層の海外生活

第2部:海外不動産のメリット
第3部:会社譲渡後の新ビジョン

オープンハウスのアメリカにおける体制

 講師の齋藤氏は株式会社オープンハウスに約14年前に新卒で入社し、センター長を経て現在はウェルスマネジメント事業部でアメリカの不動産の販売を専門としている。

 同社は2013年に当時の東証一部に直接上場し、現在はプライム市場に上場している。9月に売上高1兆円を超えて、現在、従業員数は4435名だ。

 同社は国内の不動産会社というイメージが定着しているが、実は2010年にアメリカに進出し、アメリカの不動産の販売も行っている。2023年9月は1カ月間で162件ものアメリカ不動産を販売した。

 齋藤氏が所属するウェルスマネジメント事業部がアメリカ不動産を担当しており、アメリカにも従業員を152名置いている。日本側116名と合わせて300名弱の体制で、日米で物件の商品化から物件の管理、そして物件の売却までサポートしている。

アメリカにおけるオープンハウスの取扱エリア

 同社はアメリカの不動産を扱うにあたり、種別や価格帯を考慮し、厳選している。同社が選定を予め行うことによって、最終的には出口である売却のところでも困ることがないよう、売れ筋のみを商品化をしていると齋藤氏は言う。

 例えば、カリフォルニア州のロサンゼルス都市圏にて1億円から10億円の価格帯の木造アパートコンドミニアムタイプのものを同社は販売している。ダラス(テキサス州)、ヒューストン(テキサス州)、アトランタ(ジョージア州)の5,000万円から9,000万円台の木造戸建も販売が好調のようだ。ハワイ州ホノルルの木造戸建コンドミニアムも人気なようだ。

サチハワイ総合不動産会社を完全子会社化

 日本において、ハワイの不動産を販売している会社の中では、実はオープンハウスが売上高・取扱件数で最大だ。サチハワイ総合不動産会社(代表:Sachiyo Braden)を2018年6月に完全子会社化したことで、更にハワイの不動産を購入したい顧客のニーズに応えることができるようになった。

不動産購入の大事なポイント

 不動産を購入するという観点において、齋藤氏は「実需」として自身で使用するために不動産を購入するのか、それとも「投資」という観点で不動産を購入するのか、これが非常に大事なポイントだと語る。

 実需と投資では不動産を確認するポイント等も変わる。まずは目的を整理することが、より良い物件を購入するために必要なことであるとのことだ。

ハワイの不動産の種別

 ハワイの不動産の種別は4種類に分類できると齋藤氏は言う。

〈ホテルコンド〉

 ホテルコンドはオーナーが利用したい時は利用して、利用しない時はホテルに客室として貸し出すタイプの物件だ。自身で利用する際も、ホテルの共用アメニティーサービスを受けられることが魅力である。

 代表的な物件としてはリッツカールトン、トランプタワーだ。

〈コンドミニアム〉

 続いてコンドミニアムは、日本でいうところの分譲マンションだ。ワイキキのエリアでは築古の物件が多いエリアが、近年では新築のコンドミニアムの開発も活発になっている。

〈タウンハウス〉

 タウンハウスは隣の住戸と壁が繋がっている物件だ。ワイキキのど真ん中というよりは、そこから車で30分40分の距離のところにあり、ローカルの方が住むような物件だ。タウンハウスは自己利用しない場合は長期賃貸に出したり、バケーションレンタルでの運営もが可能なので、安定的な賃料収入が期待できる。

〈戸建て〉

 大きな庭やプール付きの物件が多く、別荘として所有する方も多いそうだ。

ハワイの市況と金額

 現在のハワイの市況と金額は下記のとおりだ。

 戸建については、日本円1ドル150円換算で約1億5,000万円程度の物件で、昨年に対して不動産価格は下がっている。この背景にあるのは、アメリカの住宅ローン金利が上がっていることが要因だ。住宅ローン金利の上昇に伴い昨年対比でハワイの戸建てタイプは不動産価格が下がっている。

 コロナ禍においての住宅ローン金利は低金利で、約2年間で一気に不動産価格が上昇していた。そのため、昨年対比で見ると、今現在は少し下がり気味というのがこの戸建ての事情だ。

 一方、コンドミニアムに関しては昨年対比で物件価格は上昇している。

 これは投資マネーで世界中の投資家の方がハワイの物件を購入したためだ。コンドミニアムタイプの中間価格は53万ドルということで買いやすいことから投資マネーが入ってきた。今後もコンドミニアムタイプで安めの物件であれば、不動産価格の上昇が狙いやすいと齋藤氏はアドバイスした。

ハワイのお勧めの物件①:リッツカールトンレジデンス

 齋藤氏はハワイのお勧めの物件として、リッツカールトンレジデンスを挙げた。言わずと知れたRITZブランドだ。これはリッツのホテルを区分所有で保有することが可能で、オーシャンビューで海が見える29階の物件だ。アメニティーも充実している。ワイキキでは築古物件が非常に多い中で、本物件は築浅なのが特徴だ。また、バスタブが深いので、日本人にとって人気の物件と言われているようだ。

 広さは66平米のワンベットタイプで価格は2億3,625万円(1ドル150円換算)だ。

ハワイのお勧めの物件②:ザ・ラウニウ・ワードビレッジ

 続いてのお勧めの物件はワード・ヒューズ社(アメリカの不動産開発会社)が手掛けているワード・ビレッジという大規模開発が進んでいるエリアにある。このエリアでは全部で14棟、いわゆるタワーマンションが建つ。そんなワード・ビレッジの中の「ラウニウ」という物件が現在、オープンハウスで特別に先行紹介が可能とのこと(六本木にギャラリーがある)。

 本物件の正式販売は2024年1月以降からだが、同社では、購入を希望する顧客から要望書という形で受け付けを開始。オーシャンフロント(一番海側)においては、最後の物件ということで、人気が出そうだ(今後開発がされるのは海からみて2列目3列目になる)。価格帯ワード・ビレッジというエリアは2億円~3億円が多かったが、今回のラウニウは平米数が小さい物件もあり、70万ドルから購入できる。

アメリカにおける同社取扱エリアの魅力

 ロサンゼルスは、2028年にオリンピックの開催を控えているため、将来を期待して購入する人も多いと齋藤氏は言う。

 投資という観点から販売件数が一番伸びているのはダラス(テキサス州)、ヒューストン(テキサス州)、アトランタ(ジョージア州)とのことだ。齋藤氏によればアメリカ不動産投資の魅力は大きく分けると4つあるという。

〈アメリカ不動産投資の魅力①:資産分散〉

 1つ目は「資産分散」だ。経済大国アメリカへ分散投資をしたいというニーズは非常に多い。資産分散は「国」の分散と、「財産の種類」の分散が重要だ。アメリカの不動産を購入するということは、この2つを叶えることができる。

〈アメリカ不動産投資の魅力②:賃料収入〉

 2つ目は住宅賃貸運用による「賃料収入」だ。特にコロナ禍においては、例えば飲食業、アミューズメント業、パチンコ業界の方は本業がなかなか上手くいかない状況だった。そこでアメリカ不動産に投資することで、本業以外で事業の柱を作ることができる。

 アメリカ全体での空室率は5.8%、日本全体では13.6%、東京でも10.6%が空室で、アメリカは日本に比べて空室率が非常に低い。

 また、アメリカは日本のようにすぐ家を建てられるわけではなく、2年~3年かけて新築が分譲されていく。日本と比べて建築に時間がかかる一方で、アメリカはどんどん移民を受け入れ、自然出生も多い国のため、人口が増えているのに不動産そのものが増えていない。そのため、空室率が非常に低い。不動産投資という観点では、当然に空室率は低いほうが良い。

 また、アメリカは賃料が上がりやすい。不動産賃料も毎年更新のタイミングで上がっていく。

〈アメリカ不動産投資の魅力③:資産価値〉

 3つ目は「資産価値」だ。中古不動産でも価値が落ちにくい。中長期でアメリカの不動産価格は右肩上がりだ。

 過去30年間の不動産価格の上昇率を見ると約3.5倍だ。下記のグラフでは2000年を100としたときの今現在のアメリカの不動産価格は276ということで持っているだけで不動産価格は上がっているということになる。

 当然、逆もある。不動産を持っていたら不動産価格が下がってしまったというケースだ。「価格の下落リスク」は当然あるが、アメリカは中長期で見れば上がってきた現実がある。

 また、下図の「住宅流通割合比較」は日本とアメリカの不動産の考え方の違い、市場の違いを表している。

 アメリカでは市場に流通している物件の8割~9割が中古物件で、残りの1割~2割が新築物件だ。日本の場合はこれが逆転している。アメリカの不動産で中古物件を購入するのは普通のことだ。

〈アメリカ不動産投資の魅力④:減価償却〉

 4つ目は高い建物比率を生かした「減価償却」だ。法人であれば、法人税対策、個人であれば、所得税対策として、アメリカの不動産は大きな効果をもたらす。

 前提として、日本に居住し、日本に納税されている個人・法人に関しては日本の税法が適用される。

 これは海外の不動産を購入したとしても、日本の税法が適用される。下図では不動産をシンプルに土地と建物に二分する。アメリカの場合は一般的に建物の割合が高い。

 日本の場合は土地の割合が約80%、建物の割合が約20%、一方、アメリカでは土地の割合が20%、建物の割合が80%だ。不動産における減価償却はあくまで建物部分のみが対象となるため、アメリカの不動産を購入したほうが日本の不動産よりも効果は高い。

 さらに例えば法人であれば、築22年経過している木造住宅であれば、4年間で加速度償却をすることが可能だ。つまり、建物の部分を4年で償却できる。また、個人であれば建物比率を生かして課税所得の減少、意図的なマイナスを作ることによって所得を圧縮することができる。

 所得を圧縮すると、個人の所得税、住民税の総合課税の部分に対して大きなマイナスを作ることができるため、所得税は還付という形で返ってくる。住民税は翌年の住民税の支払いが減るメリットがある。

おわりに

 アメリカの不動産が高くて購入できないという人には、同社では融資商品も用意している。オープンハウスの100%子会社にノンバンクが1社あるため、そこがアメリカの不動産に抵当権を設定して融資が可能とのことだ。

 最後に齋藤氏は「オープンハウスの特徴はアメリカにおいても①物件の選定、②融資、③購入、④物件管理、⑤売却までワンストップサービスを提供していること。購入にあたってはまずは相談してほしい」と講演を締めくくった。

(注)本記事の内容は2023年10月13日時点での情報です。