事例紹介

Case Study

M&A仲介会社からのDMで、事業承継が気になり迷いだす。

ビルメンテナンス業 / 2代目50代オーナー経営者

  • 承継プランニング
  • 財産コンサルティング

ある経営者からの紹介で鈴木社長の相談が舞い込みました

「M&Aの仲介会社から、買い手がいるので会社を譲渡しませんか?というDMが来ている。そして買手候補企業の名前も聞いたけど、それ本当なの?M&Aについて教えてほしいし、会社を譲渡した後自分たちはどうなるのかも知りたい」というものでした。

鈴木社長は、両親から会社を承継して経営されていました。
新規事業の立ち上げ、取引先の開拓などを行い、毎期堅調に成長していました。

DMや、M&A仲介会社の説明をおわると、「ひとまず、内容は理解しました。しかし、判断軸や比較検討できる素材が無いため、よくわかりません。もっと会社を成長させたいし、どうすれば良いでしょうか。」と今後の方向性についてテーマが移っていきました。
そこで、一緒に事業承継のビジョンをつくることにとりかかりました。
まずは、事業承継の全体像を理解いただく勉強会から開始。

その後、6か月間にわたり、複数回のミーティングをもち、
つくりたい会社と業界の将来像と、それをどのように実現していくのか?

承継については社員承継とM&Aなどのメリットデメリット、会社の株価、M&Aで想定される相手候補など。さらに、M&Aの場合、相手として事業会社とファンドの違い。個人資産関連では、承継選択肢別の承継後の個人収支、生活資金のシミュレーションをみてもらいました。

さらに、M&Aで譲渡する場合でも、会社にある資産のうち、本業と直接関係のある資産、と関係しない資産を切り分けることが必要で、事業に関係しない資産を個人の資産管理会社で管理し、その後の個人や一族の生活のため収入の源泉にすることなどを理解いただきました。

鈴木社長は、企業や業界に対する将来像と、企業の成長の方向性も明確になったところで、迅速な意思決定をしました。

自分も経営に関与しながら、会社の成長をより加速するため、M&Aを実施する。相手は事業会社ではなくファンドにすることによって、実現したい会社の成長と業界のレベルアップを一緒に作っていけることが、決め手でした。

ファンドへの株式の一部売却により資金が入り、財産の承継についてもより深く考えるようになりました。家族の生活が安定し、そして音楽家になる子供も支援していきたいと考え資産管理会社を設立することにしました。

財産については、過度な利回りやレバレッジを利かせた運用ではなく、きちんと保全し次世代に承継すること、そして目減りしないように長期運用するという方針を作りました。

安定的な一暦年の収入を実現する不動産や金融商品への投資、そして、万が一を想定した保険商品の購入なども実施。
将来の不安材料をなくし、経営に集中できるようにしています。

鈴木社長に事業承継成功のポイントをお聞きしました

「コンサルティングに疑問を持っていました。ややこしい事業承継の方向性がだせるものなのかと?しかし、しっかり順番に整理して考えることができました。
年齢としては早めの決断かもしれないけど、考えている会社と業界の将来像の実現のために、自分一人では限界もありスピードも遅い。そして気づいたら10年くらいすぐたってしまい、60過ぎてた!になると実感しました。会社の成長のために、現時点で一番いい選択、より可能性のある選択をすることができたこと!」。実に明解な選択でした。